緊急地震速報とは?
緊急地震速報とは、地震発生直後に揺れの到達時刻や揺れなどを予想し、様々な媒体(テレビ・ラジオなど)を通じて素早く提供するシステムのことです。
具体的には、地震が発生すると震源から地震波が発生し、震源の近くで地震計がP波(縦揺れ)を観測します。それを元にS波(大きな横揺れ)の大きさを予測して、様々な媒体を通じて素早く提供します。
緊急地震速報は、0.1秒~数秒単位で予測していくため、多少の誤差が発生することがあります。
しかし、P波の検知から速報の配信まで数秒かかるため、震源に近いと速報は間に合わないことが多いというデメリットがあります。
緊急地震速報には「予報」と「警報」の2種類があり、警報のうち震度6弱以上の大きさの地震動が予想される場合は「特別警報」に位置づけられるが、特別警報は警報と区別せずに発表されます。
詳細については気象庁のホームページ「緊急地震速報について」などに掲載されています。
緊急地震速報 予報
緊急地震速報(予報)は、以下の条件に当てはまる場合に発表されます。
- いずれかの地震観測点において、P波またはS波の振幅が100ガル以上となった場合
- 地震計で観測された地震波を解析した結果、震源・マグニチュード・各地の予測震度が求まり、そのマグニチュードが3.5以上、または最大予測震度が3以上である場合
※気象庁ホームページより引用
機器制御などへの活用のほか、各家庭用の端末などで受信地点の予想震度やS波到達予想時刻などを表示する等、高度利用者向けとして利用されています。
緊急地震速報 警報
よくテレビやラジオなどで流れる緊急地震速報は、警報になった場合に流れます。緊急地震速報(警報)は以下の条件に当てはまる場合に流れます。
- 地震波が2点以上の地震観測点で観測され、最大震度が5弱以上と予想された場合
- 長周期地震動階級3以上が予想された場合
※気象庁ホームページより引用
緊急地震速報(警報)が発表された場合、誤差を考慮した上で、震度4以上が対象地域として発表されるようになっています。
PLUM法
緊急地震速報は続報として発表されます。具体的には、震源や規模の推定は行わず、地震計で観測された揺れの強さから直接震度を予想する手法となっています。
PLUM法は以下のような場合に発表されます。
- 緊急地震速報を発表した後の解析により、震度3以下と予想されていた地域が震度5弱以上、または長周期地震動階級3以上と予想された場合に、続報を発表する
- 続報では、新たに震度5弱以上、または長周期地震動階級3以上が予想された地域及び新たに震度4が予想された地域を発表する
- 落雷等の地震以外の現象を地震と誤認して発信された緊急地震速報(誤報)のみ取り消すこととし、例えば震度5弱と予想していた地域が震度3以下との予想となった場合などは取り消さない
※気象庁ホームページより
対応方法
速報が流れたら、まず身の安全を守りましょう。
屋内で速報を受け取った場合は、すぐに扉を開けて避難経路を確保し、落ちてくるもの、倒れてくるものから離れて頭を守ります。緊急地震速報の音や地震の揺れに気づいたら、真っ先に廊下や玄関に避難することもおすすめします。
但し、熟睡中に緊急地震速報の音や地震の揺れに気づいたら、無理に行動せずに、そのまま布団にくるまって枕などで身を守りましょう。
よく「地震だ!火を消せ!」などと言われますが、原則そのような行為はしないようにしてください。キッチンでは凶器となる危険物が多くあるので、揺れたりしたら真っ先にそこから離れてください。多くの一般家庭は揺れを検知すると自動で止まる仕組みになっています。
混雑する場所の場合は、頭を守りつつ、落ちてくるもの、看板や照明など落ちてくるものから離れます。出口には押しかけず、係員の指示があればそれに従います。
屋外で速報を受け取った場合は、ブロック塀など倒れてくるもの、看板・照明・窓ガラスなど落ちてくるものから離れ、耐震性の高い建物の中に避難します。
自動車を運転している場合は、ハザードランプをつけ、ゆっくりと減速し、道路の左側に移動して止めます。急ハンドルや急停車は避けます。バスや列車に乗っている場合は、つり革や手すりなどにつかまって体をしっかりと支えます。エレベーターの中にいる場合は、最寄りの階に停まれるようすべての階のボタンを押します。