大分県での地震活動について
18日頃に大分県で地震活動が活発化しているため、臨時で投稿いたします。普段の活発化であれば、定期的なお知らせ事項として投稿しますが、活動域となっている場所に問題があるため、臨時投稿として配信します。


活発化している領域は、震源の深さは10km程度より浅い場所で発生していて、以上の図のように無数の地震活動が検出されています。最大で最大震度3を観測する地震も発生し、南北方向からの張力軸を持つ正断層型の地震と推定されます。この領域には中央構造線断層帯という大きな断層帯が存在していて、無数の活断層が存在しています。ちょうどその領域で活発化していることが分かりました。今回の地震は、メカニズム的に考慮しても中央構造線断層帯と関連している可能性は考えられるかと思います。
活動域となっている領域は、中央構造線断層帯(豊予海峡-由布院区間)の領域に位置して、その断層は主として北側低下の正断層を主体としています。活動域となっている領域近辺では1596年に慶長豊後地震というM7クラスの大地震が発生していて、震源が別府湾の地下ということもあって、2024年能登半島と同程度かそれ以上の津波が発生したと推定されるデータもあります。なお、1590年代に起きた中央構造線沿いで起きる地震は周辺の活断層に影響を及ぼし、連鎖的に起きた記録があるため、十分注意しなければならない活断層帯となっています。
活発化している領域では、2000年・2007年にも活発化していて、多いときには十数回以上の有感地震を観測していて、その中では少し規模の大きめな地震も発生しています。また、2016年には熊本地震の影響で大分の地震も急激に活発化させました。
現時点では、ただちに大地震に発展する可能性は低いですが、念のため今後の推移に注意が必要です。大分県の領域は2016年に発生した熊本地震の影響をもろに受けた領域ですので、地震が発生しやすくなっている可能性もあります。
中央構造線断層帯(豊予海峡-由布院区間) | M7.8程度と想定 |
中央構造線断層帯全体 | M8.0程度かそれ以上と想定 |