2025年4月16日現在の地震活動の状況と今後の可能性についてお知らせします。
最新の地震活動の状態
少し気になる活動が見られた領域が複数確認されました。
気になる活動が見られたのは、「福島県会津」「埼玉県南部(越生断層付近)」「長野県中部」などの領域になります。これらの領域は特別極端な異常はないので、このまま収束していけば大地震に発展する可能性は低いですが、念のため注意が必要です。
以下の領域では中期的・長期的には活発化傾向になっていて、注意が必要です。
特に山口県北部の領域では、現在も明らかに異常と言えるほどの活発化している状態となっていて、大地震の発生リスクは平常時よりも非常に高い状態となっています。
陸奥湾 | 現在は横ばい状態だが、少し活発化している状態(長期的) |
岩手県南部(宮城県寄り) | 活発化傾向(中期的) |
福島県会津(群馬県寄り) | 長期的には活発化状態で、現在上昇傾向 |
石川県西方沖及び能登半島地震の震源域 | 活発化状態で、緩やかな上昇傾向(長期的) |
山口県北部 | 異常な活発化状態(中期的) |
有明海 | 減少傾向だが、活発化状態 |
奄美大島付近 | 活発化状態(中期的) |
地図
地震活動の状態を、色別に分けたものです。以下の情報は参考程度に留めてください。
- 紫色は、要警戒(現在異常な状態となっている領域)
- 赤色は、警戒
- 黄色は、注意
北海道・青森付近

津軽海峡で少し活動的になっています。
陸奥湾の領域では、去年の11月以降に活発化している状態となっています。
東北地方

福島県会津では、1月の地震以降、活発化している状態が続いていて、現在上昇傾向に転じています。そして、東北地方太平洋沖地震以降、周辺では地震活動が活発化していて、アウターライズの領域でも活発化している状態となっています。
関東地方

埼玉県南部で少し気になる活動が見られました。周辺にはM6.7程度の地震を引き起こす可能性のある活断層「越生断層」が存在しています。現在のところただちに大地震に発展する可能性は低いですが、念のため注意が必要です。
北陸地方

2024年能登半島地震以降、周辺で地震活動が活発化していて、現在再び上昇傾向になっています。
詳細は、以下の『2024年能登半島地震後の能登半島付近における地震活動について』についてをご覧ください。
中部地方

長野県中部の筑北村付近で微小地震が急激に活発化しています。
近畿・中国・四国地方


山口県では紫色の領域で、3月頃から地震活動が上昇しています。
この領域では、震源の移動を繰り返しながら活発化し、震源も段々浅くなってきていて、危険度が現在高い領域となっています。
微小地震の回数は最近数十回が普通になりつつあり、明らかな異常と判断できる推移となっている状態となっていますので、注意が必要です。
活発化している領域周辺には、地福断層・大原湖断層などM7クラスの地震を引き起こす可能性のある活断層も存在していて、中には能登半島地震と同様にM7.5程度の地震を引き起こす可能性のある活断層もあります。
さらに過去の活動歴が無い活断層も存在しているのですが、その活断層は言い換えれば長年ひずみが溜め込まれている可能性があるとも言えますので、むしろ大地震が起きないとは言えません。
現段階ではただちに大地震に発展する可能性は低いですが、今後の推移次第で能登半島のように平常時とは異なる地殻変動が観測されるなどの異変も現れた場合、さらに一段と大地震に繋がる可能性はいつも以上に高くなりますので、今後の情報にも注意です。
九州地方

有明海付近の地震活動は減少傾向ですが、活発化状態であることは変わりません。
熊本地震以降、日奈久断層帯を中心に活発化していて、特に割れ残りとなっているエリアで長期的には活発化している状態となっています。
他にも日向灘の領域で、去年にM7.1の大地震、今年の1月にもM6.6の地震が発生していて、本格的に長期的な活動期に入ったと推定されます。今後、しばらくの間は長期的な意味で大地震が発生する可能性があるので注意です。
奄美・沖縄地方

奄美大島付近で続いていた地震活動は、ほぼ収束した状態となっていますが、中期的には活発化状態となっています。
2024年能登半島地震後の能登半島付近における地震活動について

能登半島地震の震源域 | 全体的な活動度は緩やかな減少傾向だが、3月後半あたりから緩やかな上昇傾向 |
石川県西方沖 | 能登半島地震後の影響を受けて活動的になり、さらに11月の地震後、普段の状態と比較すると活発化している状態 |
佐渡付近 | 緩やかな上昇傾向 |
能登半島地震以降、現在までの活動度は緩やかな減少傾向となっていましたが、現在上昇傾向に転じていたことが明らかになりました。能登半島地震の影響で北陸などの中部地方を中心に、北西や北方向に大きく変動しました。その影響により、各地で地震活動が活発化しだした領域も確認されているため、注意が必要です。事実、既に去年11月に石川県西方沖でM6クラスの大地震も発生していることが証拠です。